Interview

SHOWAISM〜私のストーリー〜

やりたいことに全力投球!
フードコーディネーターの道へと邁進

管理栄養士・フードコーディネーター
北嶋佳奈さん

生活科学部
生活科学科管理栄養士専攻(現:管理栄養学科)
2010年卒業

管理栄養士になりたくて昭和女子大学に進学

高校2年生のとき進路に悩んだ私は、自分の「好きなこと」「得意なこと」を考えました。そして、「好きな食」が学べて「得意な化学」を生かせる、管理栄養士になりたいと思ったんです。
いろいろな大学の資料を取り寄せたりオープンキャンパスに行ったりするなかで、立地条件や授業の充実度などから昭和女子大学を第一志望校にしようと思ったんです。
本当は管理栄養士専攻に入りたかったのですが、その時は叶わず、食物学専攻へ入学。それでも入学後猛勉強の末、希望の管理栄養士専攻へと転専攻することができました。

学生時代のモットー「やりたいことをする!」

大学4年生の3月に行われる国家試験に合格することが、管理栄養士専攻の学生の大きな目標。そのため、他学科に比べて必修授業や課題、実習や化学実験も多いのが特徴です。印象に残っているのはカエルやラットの解剖。内臓の様子や反射神経の仕組みなどが知ることできて楽しかったのですが、その後のレポートが大変でした。
それでも大学入学時に、「やりたいことをとことんやる!」と決めていたので、国家試験の受験対策だけでなく、いろいろなことに挑戦しました。

ボストン留学中に、ハーバード大学を訪問

大学1年生の夏休みには、アメリカにある昭和女子大学の海外キャンパス“昭和ボストン”へ行く、約1か月間のサマーセッションプログラムに参加しました。「食のプログラム」でのアメリカの食文化を学ぶ授業はとにかく新鮮でしたね。アメリカといえばジャンクフードという漠然としたイメージしかなかったのですが、実際に行ってみたら、現地の学校給食には、ピザやポテトチップスも出てくるという話を聞いて、文化の違いを肌で感じることができました。

また勉強を進めるうちに痛感したのは、食育の大切さ。管理栄養士の資格を取得した後の進路を考えた際に、臨床としての食事(病院食など)を提案するのではなく、予防としての食事(給食委託、保育園など)を提案する職業に興味を持ちはじめ、「栄養教諭」の資格取得に向けての授業履修も始めました。

もちろん大学生らしく、サークル活動やアルバイトもしていました。全くの未経験でしたが、ダンス部「AUBE」に入部。週に数回、授業が終わった後に学生ホールのエレベータ前に集まって、自動ドアに映る姿を確認しながら踊っていました。学業の合間の気分転換ではなく、ダンスも全力で臨む。
忙しい日々のなかで、すべてを忘れてダンスに没頭できる時間があるのはとてもよかったですね。体力もつきましたし。今では100人規模のサークルだそうですが、当時は人数が少なくて。昭和の学園祭「秋桜祭」では人見記念講堂で公演をするのですが、人数が少ないと見栄えが悪いからと、4年間出演していましたね(笑)。アルバイトは、大学1年から3年間は、週数回、コーヒーショップで。あこがれのバリスタのノウハウを習得したいという理由からでした。

大学の講義、サークル、そしてアルバイトだけでも時間がなかったんですが、さらに時間がないと感じたのは、大学3年生の後期。将来について改めて考えていた時期、たまたま手に取った本を読んでいるうちに「レシピを提案する人になりたい」と思い立ったんです。今の肩書でもある「フードコーディネーター」という職業との出会いでした。
大学4年生の後期からは、フードコーディネーターの専門学校にも入学。大学の講義や栄養教諭の教育実習と並行して、週数回通い始めました。専門学校はテーブルセッティングや盛り付け方など、フードコーディネート術が中心で、大学では栄養学が中心。さらに、料理の実技を習得するために、レストランで調理師の見習いのアルバイトも始めました。

昭和女子大学の先生方のサポートで目標達成!

忙しくも充実した大学生生活を過ごしている中で、1つ問題が起きました。管理栄養士試験の模試の結果が悪かったんです(苦笑)。そこで、夏休みに3泊ほどの勉強合宿に行くことに。大学が所有する研修施設で、20人くらいの学生と一緒に泊まり込みで勉強。夏休み期間中にもかかわらず、先生方も勉強会に来ていただき、とても丁寧に、そして親身になって講義をしていただきました。

実は…冬休み前になっても模試の結果から合格できるかどうかの瀬戸際だということが分かり、冬休みの勉強合宿にも声をかけていただきました。けれど、Wスクールしていた専門学校の必修授業と重なってしまい、やむなく合宿を欠席。この時は先生方もとても心配してくださり、「最後までがんばれ」と声をかけてくださったことをよく覚えています。

やりたいことをとことん突き詰めた結果、4年生になったときに「受験勉強はいつやればいいんだろう」というくらい多忙だった私(笑)が、無事に管理栄養士の資格を取得できたのは、常に親身になって支えてくださった先生方のおかげです。とにかく学生第一で丁寧に面倒をみてくださり、学業面を支えてくださいました。

企業には就職せず、フードコーディネーターの道へと邁進

大学卒業後は、3年生のときに本で知ったあこがれのフードコーディネーターの方のもとなどでアシスタントをしました。だんだんと人脈も広がり、お手伝いをするなかで徐々に仕事もいただけるように。もちろん就職せずにいろんな先生のところを転々とする日々に不安もありましたが、「レシピを提案する」という夢を叶えたいという思いの方が強かったんです。
出版社に企画書を持ち込んで営業したことがきっかけで、今までに約20冊のレシピ本を出版しています。出版社の方たちとお仕事をするなかで、「管理栄養士の資格を取得している」ということは私の大きな強みになっています。
けれど、仕事が増えていくにつれて、私が提案したい「見た目にこだわった料理なのにヘルシーなメニュー」と編集の方が求める「シンプルでヘルシーな料理」の間に、少し隔たりがあることがわかりました。今は自分がやりたいこととクライアントの要望をうまく組み合わせながら、レシピを提案していくことを目標にしています。

きっと私、目標がポンっと見えると、それを達成するために突き進む性格なんだと思います(笑)。子育て中の今は、改めて「食育」に興味が出てきました。レシピ提案や料理教室でのレクチャーなどを通して、これからも料理に携わっていきたいですね。
ダンスで培った体力がハードな日々を乗り越える糧になりましたし、今仕事と育児の両立で忙しくても学生時代を思い出せば、「まだ大丈夫!」と思えるほどガッツがついたと思います。昭和女子大学の皆さんにも、「忙しいから、女性だから」という先入観にとらわれることなく、たくさんの人に出会ってたくさんの経験を積んで、かっこいい女性として社会で活躍してほしいですね。

北嶋 佳奈 さん

(きたじま・かな)

管理栄養士、フードコーディネーター

2010年 昭和女子大学 生活科学部 生活科学科 管理栄養士専攻(現:管理栄養学科)卒業後、フードコーディネーターアシスタントや飲食店勤務後、独立。
おやこのためのおやつ屋さん「こはなのおやつ」プロデュース。
美容・ダイエット・健康に関する料理本の出版、雑誌でのレシピ開発やコラム執筆、ラジオ、テレビ、イベントへの出演などで活動中。
モットーは、「心もからだもよろこぶごはん」
北嶋佳奈HP「HALEAINA」:http://hale-aina.jp/

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