Interview

SHOWAISM〜私のストーリー〜

「学ぶ」ことを貪欲に
―起点となったボストン留学

外資系コンサルティング会社
楯 真帆さん

人間文化学部 英語コミュニケーション学科
(現:国際学部英語コミュニケーション学科)
2016年卒業

「真帆の英語は分からない」と言われた悔しさをバネに昭和女子大学へ

高校生のとき、シアトルで2週間ショートホームステイを経験。初めての現地でのネイティブスピーカーとの会話で、ほとんど英語が通じませんでした。日本人の友人と二人でホストファミリーの家に宿泊していたのですが、私の英語を聞いたホストマザーが友人に、「真帆の英語が分からないから、あなた訳してくれる?」と言っているのが聞き取れてしまったんです(苦笑)。それがものすごいショックで…。英語は苦手ではなかったのにこんなに通じないとは、と。この悔しさから大学では英語力を伸ばしたいと考えました。

母と大学入学案内のパンフレットを見ていたとき、昭和女子大学は留学が必須というだけではなくボストンにキャンパスがあること、また就職率が高いということを知り、志望。人間文化学部英語コミュニケーション学科に入学しました。

2年生後期、半年間のボストン留学へ。同級生との寮生活なので私生活に不安がなく、授業に集中できた記憶があります。また、日々レポートなどたくさんの課題をこなしていたので、高校生のときの遊びに近いホームステイと比べると、格段に英語力がアップしました。ボランティアの授業の一環として、2週間に1度、幼稚園で子どもたちの面倒を見て、その結果をレポートにまとめるのですが、子どもとはいえ、ネイティブスピーカー。“何言ってるか分からない!”と言われるたびに傷つきながらも懸命に対話していたことも、今となってはいい思い出になっています。

大学卒業後はイギリスオックスフォード大学への進学を決意しました

オックスフォード大学入学時 図書館前にて

オックスフォード大学入学時 図書館前にて

昭和ボストン校に行くまで、あまり勉強が好きではなかったのですが、“英語で勉強し、海外で生活する”ことは、とても楽しかった。昭和女子には、就職率の高さも魅力に感じて入学しましたが、ボストンから帰国したときには、“大学卒業後は海外で勉強したい”と思うようになっていました。帰国後の大学3年生の4月から海外の大学や大学院に行くまで2年半(※大学院は9月入学)かけて準備すれば、より質の高い勉強が海外で受けられると思ったんです。そこで、専攻科目として国際関係学や国際開発学を選択。またせっかく鍛えたリスニング力を落とさないよう、さらに高いレベルの授業内容が理解できるよう英語でディスカッションやレポートができる授業やゼミなどを積極的に選択していました。文部科学省主催の英語プレゼンテーション大会にチームで出場した際には、3位に入賞。英語力だけでなく、プレゼンのコツも学びました。

卒業論文はDavid Cozy先生の指導のもと、日本のODAとアフリカの関係について執筆しました。実はCozy先生には今でもお世話になっていて、大学院の論文を見ていただいたり、海外大学院入学の際の推薦状を書いていただいたりしました。Cozy先生に限らず昭和女子大学は、先生や職員と学生の距離が近く、“いつでも相談に乗るよ”と言ってくださるので、心強く思っていました。

また大学3年生から4年生になる春休みには、国際開発プロジェクトのインターンシップで南アフリカへ。学校の紹介ではなく個人的に見つけて参加を決意したのですが、父には大反対されました。「なんで危険なところに行くの?」と。親を説得するための書類を用意しても、読んでももらえないことが続きましたが、結局は私が押し切る形で、インターンシップを実行。このころから、両親も、私が本気なんだということを分かってくれたのか、海外で勉強がしたいという夢を後押ししてくれるようになりました。

大学卒業後は、大学院へ進学する前の準備として、イギリスの大学のPre-Sessional Couse(アカデミック英語の上達に特化した大学院進学準備コース)に行くことも考えたのですが、昭和女子大学で4年間しっかり英語を学んだ自負があったので、より専門的な授業を履修でき、学位の取得ができるPre-Master Courseに行こうと考えました。いくつかの大学を検討した結果、英国オックスフォード大学に入学、1年間でコースを修了し、学位としてディプロマ(UG Advanced Diploma in British and European Studies)を取得しました。政治、経済、文学などに関する授業を履修し、アカデミックな知識を大学院入学前に幅広く蓄えることができました。

イギリスでの生活は、アメリカのときとはまた違いました。男女8人の学部生の寮にいたのは、イギリス人、アメリカ人、ペルー人、中国人、そして日本人の私。英語の癖も、国民性も、主張の仕方も違う。違うことを楽しんでいました。ちなみに、“空気を読む”、“言い回しに気を付ける”というイギリス人の国民性は、日本人と似ていて心地よかったです。

オックスフォード大学では、英国の伝統を重んじたユニークな行事が多くありました。正装が義務付けられた舞踏会や、ハリー・ポッターに出てくるような長いテーブルで晩餐会をしたり。特に、いろいろな学科の人たちが参加するディナーには積極的に参加していました。2時間ほどかけて楽しむディナーの席では、一緒に行く友人以外に、当日初めて会う人とテーブルを一緒にすることもあります。違う分野を専攻する学生と共通の話題を探すなど、コミュニケーション能力が鍛えられました。そのとき、私は日本人なのに日本のことを知らないと実感。日本の歴史や日々の日本のニュースなどをインターネットで調べて勉強するきっかけにもなりました。

国際関係学を学ぶため、エジンバラ大学大学院へ進学

エジンバラ市街を一望できる場所で

エジンバラ市街を一望できる場所で

オックスフォード大学在学中から大学院への進学は決めていましたが、大学の勉強と大学院出願準備の両立がなかなか難しく、両親と相談して大学卒業と同時に、1度帰国することにしました。そしてこの1年間は、大学院への入学準備とインターンシップを行うことにしました。インターンシップ先は、JICA(国際協力機構)が国際キャリアの情報を提供しているサイト「PARTNER」でリサーチ。JICAだけでなく、政府関係や国際機関、開発コンサルティング企業、国際協力などの求人が多く掲載されています。(楯さんは、①国際協力NGO 政策提言グループ、②国連専門機関 事務補佐官、③外資系監査法人 インフラストラクチャー・アドバイザリーグループのインターンシップに参加しました。)

1年後、ふたたびイギリスへ。英国エジンバラ大学大学院修士課程に進学しました。昭和女子大学に在学していたときは、“国際開発学”に興味があったのですが、オックスフォード大学で政治学と平和学の授業を学んだことがきっかけで、国際関係に興味を持ったんです。なので、エジンバラ大学大学院では、“国際関係学(MSc International Relationship)”を専攻しました。中でも特に関心があったのが、「紛争」と「防衛」。「セキュリティ」の研究も楽しかったですね。

大学院の勉強は、ひとことで言えば、「とにかく大変」でした。周囲は、国際関係学を4年間学び、さらに学びたいと思って各国から集まった学生ばかりなので…。関連書も膨大に読まないと講義についていけなくて、毎週論文は数十文献、関連書は最低2冊は読む生活を1年間続けていました。それでも、なかなか周囲が求めているレベルについていけず本当に苦労しましたが、学科の友人の助けや、寮の友人らの励ましのお陰で頑張れました。寮の仲間たちはみんな異なる学科で学んでいたのですが、彼らも同じように苦労している。刺激をもらいながら、時に息抜きをしながら、勉強に励んだ1年間でした。

学生のうちに、やりたいことをとことん突き詰めてください

2019年10月からは、国際色豊かな外資系コンサルティング会社で働いています。海外採用枠で採用されたので、オフィスは丸の内ですが、海外案件に携わらせていただくこともあり、業務の際に英語を使用することも多いです。昭和女子大学に在学していた時から積み上げてきた語学力がこうして今仕事に役立てられていることはとても嬉しく、頑張ってきてよかった、と思っています。

昭和女子大学在学中に培った英語でのコミュニケーション力は、卒業後の留学中もとても役に立ちました。特にプレゼンテーションやディスカッションの授業で教えていただいたコツは、今の私の自信となり、スキルとなっています。今まで、海外での勉強を続けさせてくれた両親にはとても感謝しています。

学生の皆さんには、学生のうちに、ぜひ興味を持ったことには何でもチャレンジしてほしいですね。失敗した後悔より、やらなかった後悔のほうが大きい。きっと将来、「迷ったけれどやっておいてよかった」と思える瞬間があると思いますし、もし失敗したとしてもそのチャレンジは、皆さんの“個性”となります。

楯 真帆さん

(たて・まほ)

外資系コンサルティング会社

2016年3月 昭和女子大学 人間文化学部 英語コミュニケーション学科(現:国際学部 英語コミュニケーション学科)卒業

2017年7月 英国オックスフォード大学 ディプロマ (UG Advanced Diploma in British and European Studies) 取得

2017年7月〜2018年8月 国際協力NGO 政策提言グループ、国連専門機関 事務補佐官、外資系監査法人 インフラストラクチャー・アドバイザリーグループにてインターンシップ

2019年8月 英国エジンバラ大学大学院修士課程 (MSc International Relationship) 修了

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